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夜の9時は

夜の9時は

遅すぎることはない

あなたに

心のほとばしりの喜びを

伝えるための薔薇を

プレゼントするには。

 

ここは、五月のベルリン 。

 

でも、あっというまに、河は

緋色に染まり、

あなたの顔も

私の面影も

急にくすみ始める。

 

早すぎる翳りに

腕と首を絡ませて

足早に歩き始める

異国の恋人、

わたしは、魔法の庭にいる。